愛犬に攻撃行動が起きた時の対処②~優位性攻撃行動~

2022/05/19

愛犬が何か問題を起こした時、飼い主は問題が突然起きたと思いがちですが、ほとんどの問題行動というのは、
どんなに突然始まったように見えても、問題が起きる原因には必ずプロセスがあるのです。
犬が飼い主を本気で咬む原因は、犬の生まれながらの資質に加えて、飼い主の行動にも原因があります。
 
「犬を四六時中抱っこする」 「犬の好きなように自由に行動させる」 「一緒のベッドに寝かせる」
「犬の要求に無条件で応じる」 「散歩は犬の行きたい方へついて行く」など、
 
飼い主が良かれと思って与えている愛情や態度、接し方を、犬が自分に対して「従属的な態度」だと受け取り、
その結果、自分の方が上だと思ってしまうのです。それが、「優位性攻撃行動」です。
20年ほど前は、「権勢症候群」と言われていました。最近では、「自己主張性攻撃行動」とも言われています。
 
子供も犬も問題が起きると、「飼い主(親)が甘やかして育てたからだ」と言われます。甘えさせると甘やかすは違います。
甘やかしとは相手の要求に「無条件」で応えてしまうことです。甘やかしは、決定権を人間であれば子どもに、
犬との生活であれば犬に与えてしまいます。犬も子供も甘やかしは、問題行動が起きやすい原因とも言えるでしょう。


飼い主と犬との信頼関係を築きなおすには、生活全般に渡って、飼い主が決定権を握っていることが重要になります。
 犬(子供)をノールールで自由に育て過ぎると、当然わがままな犬(子供)になりやすくなります。
愛犬に攻撃行動が起きた時、まず始めに見直すことは、犬に決定権を与えないことです。
 
犬が何か行動を起こそうとした時に、一旦、飼い主に「してもいいの?」と許可を求めさせ、
常に犬の方から飼い主にコミュニケーションを取ってくるように習慣づけます。

許可を求めさせ犬の従属性がを引き出すことで、飼い主の決定権を強化していきます。
 
例えば、抱っこをせがむ時は、「お座り」をさせて、座ったご褒美として、犬の要求を満たしてあげます。

優位性攻撃行動の矯正で大切なことは、犬が何かを要求している場合には、無条件に応えるのではなく、

必ず飼い主側からの要求を挟むことで、犬の従属性を引き出していきます。
 
そして、犬にとって今まで無条件で手に入れていたご褒美となるものは、今後一切ただでは手に入らない、ということを学習させます。
優位性攻撃行動の改善には、犬以上に飼い主の行動と意識の変化が求められます。