なぜ散歩が必要なのか?~ヴィッセのテキストから~

2020/02/23

犬にとって大好きな飼い主さんと共に行動する散歩(狩り)の時間は、1日のうちで最も楽しい時間です。
散歩は世界で一番頼りになる飼い主と、自分の縄張りをチェックするいわば飼い主さんとの共同作業ですから、
犬にとってこれほど嬉しいことはありません。通常人が言う外をぶらぶら歩く「散歩」とはまったく意味合いが違ってきます。


また、広い庭で放し飼いにしているので、散歩には行かなくてもいいだろう、という方がいますが、それは間違いです。
なぜなら、人も犬も社会的動物である限り、社会と繋がっていなければならないのです。庭でしか過ごせないということは、
たとえ100坪の庭で過ごしていても、自分だけの小さな世界で過ごしているにすぎないのです。

そうして大人になった犬は、神経質で臆病な子に育ってしまいます。そうならないように散歩によって、外の世界を見せてあげましょう。
いろいろな経験をし、また様々な刺激を受けて、社会性を身につける機会としてとても大切です。
そうすることによって、好奇心が刺激され、生き生きとしてくることでしょう。

特に子犬の頃に外の環境に慣れさせると、大人になっても些細なことでおびえたり、物怖じしたりしなくなります。
それだけでなく、庭に自由に放していても、大した運動にはなりません。隅っこの方で寝ていることが多く、
自分から運動することがないからです。ですので、散歩に出て意識的に歩かせる必要があります。


できれば1日2回連れて行って下さい。犬によって個体差があるので、1回につき何分行けば良いというのはありませんが、
ヴィッセでは、最低でも30分は行って下さいとお願いしています。

また、散歩は健康維持にも重要です。外の刺激と散歩による適度な運動で、老化の進行を緩やかにすることができます。
逆に、散歩をしないことによって犬はストレスをためてしまいます。それが、無駄吠えや噛みつきという行為に現れやすくなります。


以上のように、犬の散歩には様々な意味があります。外の世界を見る良い機会であり、
そのため犬として人間社会で社会性を見につけるための、貴重な経験の場ということができるでしょう。


散歩は、愛犬の心と体のバランスを整え、飼い主と信頼関係を築く基礎作りです。
散歩は、犬が犬としての喜びを感じる、1日で一番大切な時間なのです。