あなたの犬は幸せですか~お散歩の意味~

2017/10/24
ジャーマン・シェパードのだいじろう

犬は、どんな時に幸せを感じるのでしょうか?
みなさんは「犬の生きがいって何だろう?」と考えたことはありますか?

犬は好奇心のかたまりです。狩猟動物である犬の好奇心は、探索する、追いかける、
破壊するという行動によって満たされます。ボールを追いかけるのは、獲物を追いかける本能であり、
ぬいぐるみの綿を取り出して破壊するのは、動物の内臓を引っ張り出す本能です。

警察犬や災害救助犬、麻薬探知犬たちが生き生きとして仕事をするのも、
探索行動の探し当てた時の達成感から得られる自分自身の喜びと同時に、人間が喜ぶ姿が犬にとっても幸せだからです。
では使役犬と違い、仕事を持たない無職の家庭犬にとって、幸せとは何でしょうか?

それは、大好きな飼い主とのお散歩です。

犬にとって、大好きな飼い主と共に行動する散歩の時間は、1日のうちで最も楽しい時間なのです。
散歩に行くことで外の世界と繋がり、五感が刺激され心と体を育むことができるのです。

毎日お散歩に行く犬の表情は、生き生きとしています。その反対に、あまりお散歩に連れて行ってもらえない子は、
外での刺激が不足し、神経質で臆病な子に育ちやすくなります。


とくに、長時間のお留守番をさせられて散歩が不足している犬は、不安やストレスをため込み、
精神的に不安定な状態で毎日を過ごしています。それが、無駄吠えや噛みつきという行動に現れるのです。

問題行動の多くは、長時間のお留守番と散歩不足によるストレスなのです。

私の生徒さんで、ペットショップの店員さんや獣医さんに、
「お散歩は毎日行かなくても、飼い主の都合で行けば大丈夫ですよ」と言われた方が何十人もいます。
言われた方のほとんどが、小型犬の飼い主の方々です。

これは多分、犬を「家畜」として「飼う」ことを前提に言われているのか、
「お散歩」と「運動」の違いを理解できていないかのどちらかだと思います。

家畜として犬を飼うということであれば、お散歩は飼い主の都合で行きたい時に行こうが、
ケージに閉じ込めて、お留守番を長時間させようが理解できます。しかし、家族として共に暮らすのであれば、
豊かな生活環境を与え、愛犬の心と体を健全に育むことが、飼い主としての義務であり、責任ではないでしょうか?

その一番の義務と責任がお散歩だと私は思っています。「忙しくて」とか、
「朝は仕事が早くて時間がない]ということは、言い訳にはなりません。愛情とは「言葉」ではなく「行動」です。

散歩は、愛犬の心と体を健全に育み、飼い主と信頼関係を築く基礎作りです。
散歩は、犬が犬としての喜びを感じる、1日で一番大切な時間です。

ヴィッセが考える犬のしつけとは、毎日朝・夕のお散歩が土台として成り立つものと考えています。