犬と暮らすということ

2017/10/23
本牧山頂公園

犬は、飼い主の態度や姿勢を常に見ています。
そして、その姿勢や態度が、犬が飼い主を主人だと判断する基準になります。

また、飼い主の価値観と道徳観は、そのまま犬に反映します。
犬の行動の発達と性格の形成は、飼い主の性格と与える環境で大きく変わるのです。

            
今、巷に存在する「しつけ」の方法をどんなに実践しても、
そこに、しつけの意味と目的を見出せなければ、上手く行くことはありません。  


また、おやつを使うだけのインスタントなしつけをしても、犬と心がつながることはないでしょう。                          
親と子、先生と生徒、上司と部下、飼い主と犬、これらの関係はみんな尊敬で成り立ちます。 

 

以前、散歩の時に見かけた光景があります。ホームレスの方が自転車の荷台に、
目一杯の空き缶を積んで歩いていました。その横を一頭の犬がぴったりと側について歩いています。
その犬は、好き勝手に匂いを嗅ぐことも、引っ張ることもありませんでした。 

 

このホームレスの方は、しつけの本を読んで勉強したこともないだろうし、訓練なんてしたこともないと思います。
でもお互いが助け合うように、寄り添っていた姿に犬と暮らす本質を教えられた気がします。 
 

子供のしつけに近道なんてないように、犬のしつけにも近道はありません。
何千年もの間、イヌはヒトと暮らしてきました。ワニとその歯の掃除をする小鳥みたいに。 
そうしてお互いに助け合い、相手を尊重することで、ヒトとイヌはと共に暮らしてきたのです。