「待て」の教え方について。

2022/06/09

どんな方も愛犬に待てを教えると思いますが、その「待て」の教え方で、
ほとんどの飼い主の方に共通していることが必ず二つあります。


ひとつは、犬にオヤツを見せて「待て」をさせます。当然犬はオヤツしか見ていません。

これを行ってしまうと、犬はあなたのために待つのではなく、オヤツのために待つ犬になります。
そして、同時に食べ物に対する執着心を育ててしまう結果になります。


たまに床にオヤツを置いて「待て」をさせ、ヨシで食べさせる飼い主がいますが、
これは拾い食いをしてもいいよ、ということを教えていることになります。


ふたつ目は、犬が待っている間一切褒めません。皆さん「待て」を連呼するか「無言」か、どちらかに分かれます。
犬が大人しく待っているということは=正解ということです。それを「グ~ド!」と褒めてあげないと、
自分の行動が正しいのか間違っているのか犬は不安になります。

この「グ~ド!」は、褒めるニュアンス以外に「そうだよ、それで合ってるよ!正解だよ!」という意味があります。
こうして待ってを教えると、犬が安心して楽しく待つようになります。


これが警察犬の待てになると、「待てえ!!!」と大声でドスの効いた声で言わなければなりません。
そして、犬が待っている間、怖い顔で「待てえ!!」を連呼します。当然犬は怖がって待っています。
警察犬の訓練には、常に緊張感が求められるのです。


しかし、家庭犬の「待て」に緊張感は必要ありません。待つことが楽しいと教えることが大事なのです。

また、ご飯を床に置いて「待て」をさせる方がいますが、これは犬に強いストレスをかけてしまうので行わない方が良いです。
「待て」は我慢をさせるのが目的ではなく、吠えること含めて犬の動きを止めるために使うのです。

 

ちなみにヴィッセでは、「一時待機の待って」「緊急の待って」「帰って来るからねの待って」の3種類を教えています。
あと、命令調で「待て」と言うのが嫌なので、子供に語りかけるように「待って」とやさしく言っています。

「緊急の待って」は、リードやハーネスが外れた時、犬の命を救えます。「帰って来るからねの待って」は、出かける時に使います。
よくしつけの本に出かける時は、声をかけずに出て行くと書かれてありますが、犬は余計不安になります。

いずれにしても「待って」は、家の中で芸的にできても役に立ちません。
どうでしょうか皆さん、いざという時に役に立つ「待って」ができていますか?