犬の学習の仕方~ヴィッセのテキストから~

2019/12/12

犬が良くも悪くも色々な行動を学習するのは、私たち人間の反応によって、行動が強化されるからです。
犬は、自分の利益になることはすぐに学習すると同時に、飼い主が喜ぶことは自分も嬉しくなり、何度でも繰り返したくなります。


例えば首輪やリードを付ける時に、「待って、待って!落ち着いて、ほら動かないで!!」というふうに飼い主が話しかけすぎると、
犬は飼い主が喜んでいると思い、余計に興奮するようになります。飼い主が喜んでいることに気づいた犬は、
飼い主を喜ばせるには「じっとしていないことが良いことだ」ということを学んでいるのです。


犬に大人しく首輪やリードを付けさせるには、話しかけすぎないことです。しかし、これは女性にとって難しいことのようです。
犬にリードを付ける度に飼い主が話しかけすぎるのは、犬の方が飼い主を訓練したとも言えるでしょう。


このように飼い主の知らないところで、お互いを訓練し合っているのです。
しかし、どちらかと言えば、飼い主が犬に訓練されていることの方が多いようです。分かりやすい例として「飛びつき」があります。

犬が飛びついた時に、飼い主がなだめるように叱ると、犬にとって飼い主の言葉が「ご褒美」となり、犬は飼い主が喜んでいると思い、
余計に飛びつくようになってしまいます。犬の飛びつきが直らないのは、飼い主が毅然と拒否していないからなのです。

こうして飼い主は叱っているつもりでも、犬にとっては「ご褒美」となっていることは様々な場面で見受けられます。
犬は、物事を「利益=快」「不利益=不快」で判断します。


自分に都合が良いことはすぐに学習しますし、逆に飼い主にとって都合が悪いことは、なかなか覚えてくれません。
飼い主の方は、自分の与えている言動が犬にとって「ご褒美」となっていないかを、常に意識するようにしましょう。